今回は前回の記事で予告したとおり、ベロシティについての説明です。
※「ベロシティってなに?」って人は
下の記事でMIDIについて確認してください
MIDIを知ることはDTMの基本である
※ドラム打ち込みの最初から読みたい方はこちらから
ドラム打ち込み〜ドラムの基礎知識〜
ドラムはピアノやギターのように音の長さを変えたり、
音程を「ドレミ」のように奏でる楽器ではありません。
ですので、MIDIの説明で書いたノート(音程)、
デュレーション(長さ)は変わらない楽器です。
試しにスネアドラムの長さを16分で打ち込んだものと、
4分で打ち込んだものを聴き比べてみて下さい。
どうですか?音の鳴っている時間は変わっていないですよね。
音程はどうでしょう?
ピアノロール上の鍵盤にドレミを打ち込んでみてください。
おそらく、メロディのような物は感じ難いと思います。
ベロシティを変化させる
それでは、今回のメインであるベロシティを変化させてみましょう。
ベロシティの変化が明確なのは、同じドラムセットの同じ部分を連続で
打ち込んでいる場所が分かりやすいと思います。
ベロシティ変更前
[audio src="http://aria869.sakura.ne.jp/drum/snareblbefore.mp3" /]ベロシティ変更後
[audio src="http://aria869.sakura.ne.jp/drum/snareblafter.mp3" /]前回やったフィルです。
これはスネア連打のベロシティを変更した所です。
青い方がベロシティが低く(弱く叩く)、赤いほどベロシティが高く(強く叩く)なっています。
DAWごとに表示が違うかもしれませんのでみなさんも試してみてください。
最初は弱く叩き始めて、だんだん強くなっていくというイメージです。
前回打ち込んだものに比べて、「盛り上がっていくぞ~」という感じに聞こえませんか?
ドラマーさんの演奏は機械と違って、
毎回叩く強さが微妙に違います。
つまり、打ち込みでも人の演奏に近づけたいのなら、
ベロシティによって叩く強さに変化を付けてあげればいいんです。
打ち込みの上手な人だと本当に打ち込んだの?
って位リアルなドラムになっています。
逆に機械的なリズムを作りたいなら、
ベロシティを統一して同じ強さに設定することで
リズムがカチッとした音になります。
テクノ、トランスなどのダンスミュージックには
こちらの方が適しています。
それでも曲の展開によっては強弱を付けて
ノリを演出している場合もたくさんあります。
それでは前回と同じく、
初心者に覚えておいてほしいベロシティの
基本的な使い方をパターンごとに記述しておきます。
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パターン別ベロシティ調整法
1.徐々にベロシティを高くしていく(逆もok)
最初の画像でもありましたが、
どんなジャンルにもよく使います。
サビにいく前にスネアを連打で曲に「ため」を作り、
だんだん強く叩くように設定することで迫力が増します。
個人的にですが、ミドルテンポの静かな曲の
Bメロからサビを引き立たせるためなんかに僕はよくやります。
逆に設定するとだんだん弱く叩くことになります。
バラードの曲の終わりなんかにもってこいですよ^^
2.ハイハットでグルーヴを作る
基本で説明した8ビートでは
ハイハットがずっと鳴り続けていますよね。
別にずっと同じベロシティでも構わないんですけど、
人が叩く場合を考えてみるとちょっと不自然すぎませんか?
ですのでちょっと変えてみましょう。
まずは1小節8ビートを打ち込んでください。
わからなかったら前の記事を見ながらでokですよヽ(´ー`)ノ
ベロシティ変更前
[audio src="http://aria869.sakura.ne.jp/drum/hihatblbefore.mp3" /]ベロシティ変更後
[audio src="http://aria869.sakura.ne.jp/drum/hihatblafter.mp3" /]ここでは偶数個目のハイハットを
少し弱く叩くように設定しています。
ちなみに弱さの度合いは大体でいいです。
バラバラの方が逆に人間ぽいので、
神経質になりすぎないように(^_^;)
おそらく最初はあまり違いがわからないかもしれません。
しかし、こういう部分をきっちり詰めて作ると
最終的な曲のクオリティは上がります。
手を抜かないように!(今回は大きく強弱をつけています。)
3.バスドラムにも強弱を!
ベロシティ変更前
[audio src="http://aria869.sakura.ne.jp/drum/kickblafter.mp3" /]ベロシティ変更後
[audio src="http://aria869.sakura.ne.jp/drum/kickblafter.mp3" /]8ビートではバスドラムが1小節に3回出てきます。
その2つ目を少し弱くしてみてください。
ドラマーさんがペダルを踏んでバスドラムを叩く時、
「ドド」と少し連打気味にペダルを踏みます。
その時1回目よりも2回目
(打ち込みでいうと3つ目のバスドラムの音)が大きいんですね。
テンポの早い曲だと特にこの特徴が出ます。
最後にこれまでのベロシティをすべて変更したものと、
前回で打ち込んだすべて同じベロシティのトラックを聴き比べてみて下さい。
どっちがリアルで迫力があると感じますか?
なんとなくベロシティを編集したトラックの方が
より人間が叩いてるような微妙なリズムのヨレが感じられないですか?
多分楽器を経験したことのない人は
最初違いが分かりにくいかと思います。
今のところはベロシティを編集することで、
人間ぽい演奏にも機械的な演奏にも出来るということが
わかって貰えればいいかと思います。
今回はここまです。お疲れさまでした~。